インフレや市場の不安定さが続く中、「金」は安全資産として注目を集めています。
株式や債券とは異なる値動きをすることから、分散投資の一環としての金投資が広く検討されています。
本記事では、金地金とETFを中心に、金投資のメリットとリスク、投資手段ごとの比較、リスク管理のポイント、そして実際の購入方法までを詳しく解説します。
目次
第1章:金投資の代表的な手段
- 金地金(インゴット)
- 金貨(純金コイン)
- 金ETF(上場投資信託)
- 純金積立(定額購入)
それぞれの特徴比較
手段 | 流動性 | 保管 | 手数料 | 少額投資 |
---|---|---|---|---|
金地金 | ◯ | 要(自宅・貸金庫) | 高 | × |
金貨 | △ | 要 | 中 | △ |
金ETF | ◎ | 不要 | 低 | ◎ |
純金積立 | ◯ | 不要 | 中 | ◎ |
第2章:金投資の主なメリット
- インフレに強い:通貨の価値が下がっても、金の価値は下がりにくい
- 有事の資産:戦争や危機で安全資産として買われやすい
- 非相関資産:株や債券と違う動きをし、分散投資に有効
第3章:金投資に潜むリスクと注意点
- 価格変動リスク:需給や金利、ドル相場で価格が大きく動くことがある
- 金利が付かない:配当や利息収入がないため、キャッシュフローを生まない
- 保管・盗難リスク:実物を持つ場合、保管・防犯のコストとリスクが発生
第4章:投資目的別の金投資の選び方
- 短期トレード:金ETF
- 中長期保有:純金積立や地金
- 非常時用資産:金貨や小型インゴット
第5章:金ETFと金地金の実例比較
項目 | 金ETF(例:GLD) | 金地金(100g) |
---|---|---|
購入価格 | 証券会社経由で約1万円〜 | 約100万円〜(2025年現在) |
保管 | 不要(自動管理) | 必要(貸金庫など) |
売却の容易さ | 非常に高い(市場で即売却可能) | 中(店頭での売却が必要) |
税制 | 譲渡所得扱い | 譲渡所得扱い(ただし金地金は特定口座不可) |
第6章:金投資に関する税金と制度
- 譲渡所得:年間50万円以上の利益に課税対象(総合課税)
- NISA非対応:現時点では金地金・ETFともに非対応
- 相続・贈与:実物金は評価額算出が必要
第7章:まとめと資産形成への応用
金投資は単独での利益追求よりも、「分散投資の一環として安定性を補完する」ことに真価があります。
インフレへの備えや通貨不安、ポートフォリオ全体のバランス向上に有効であり、株式や債券と組み合わせることで、より安定した資産形成が期待できます。
特に金ETFなどは、少額から始められ、実物の管理も不要なため、初心者にも人気です。
自身のリスク許容度や目的に応じた金投資の活用を、ぜひこの機会に検討してみてください。
※本記事の内容は2025年6月現在の情報に基づいており、投資判断はご自身の責任で行ってください。