日経平均が一時7万円台へ|なぜ上がった?AI・半導体株への偏りと今後の注意点

日経平均株価は2026年10月5日、取引時間中に一時7万円台を回復し、7万72円13銭を付けました。終値は6万9,946円86銭で、前営業日比1,637円40銭(2.40%)の上昇です。取引時間中に7万円を上回ったのは、日経の公式データでは7月6日以来、約3カ月ぶりです。

結論:今回の日経平均の上昇は、米国の雇用統計を受けて利上げ観測が後退したことに加え、AI・半導体関連株に買いが集まったことが主な要因です。一方、報道によると、上昇幅の約3分の2は、日経平均への影響が大きい「値がさ株(株価水準の高い銘柄)」4銘柄によるものでした。つまり、日経平均が大きく上昇したからといって、日本株全体が同じように上がっていたわけではありません。本記事では、日経平均が一時7万円台まで上昇した背景と、指数を見るときに知っておきたいポイントを初心者にも分かりやすく解説します。

日経平均は10月5日に一時7万72円まで上昇|公式データで確認

確認できた事実(日経の公式データ):10月5日の日経平均の四本値は次のとおりです。

項目 値
始値 69,113.74円
高値 70,072.13円
安値 69,050.23円
終値 69,946.86円
前営業日比 +1,637.40円(+2.40%)
日経平均株価の終値の推移。9月25日66,364円から10月5日69,947円へ。10月5日の高値は70,072円
出典:日経平均プロフィル 日経平均株価 日次データ。作成:ゼロから学ぶお金の教科書

過去との比較:日経平均の終値の最高値は2026年6月25日の72,366.34円、取引時間中の最高値は6月22日の72,831.73円です(日経の公式データ)。今回の7万円台は「史上初」ではなく、6〜7月に付けた水準に近づいた形です。1年前の2025年10月1日の終値は44,550.85円で、この1年で約57%上昇しています。

日経平均が一時7万円まで上昇した3つの理由

理由1:米雇用統計が予想を下回り、米国の利上げ観測が後退

米国で10月2日に発表された9月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比2万9,000人増と、市場予想を大きく下回りました。これを受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に追加利上げを行うとの見方が後退し、米国株ではハイテク株が買われました。週明けの東京市場も、この流れを引き継いだと報じられています。雇用統計の詳細は2026年10月3日朝の米国株|雇用者数2.9万人で解説しています。

理由2:AI・半導体関連株への買い

報道によると、半導体検査装置のアドバンテストは上場来高値を更新し、日経平均を約360円押し上げました。東京エレクトロンも約336円の押し上げ要因となりました。AI向けの半導体需要が続くとの期待が、関連株への買いにつながったとみられます。

理由3:値がさ株の影響が大きい日経平均の仕組み

日経平均は、225銘柄の株価をもとに計算される「株価平均型」の指数です。株価の水準が高い銘柄(値がさ株)ほど、指数への影響が大きくなります。報道によると、10月5日はアドバンテスト、東京エレクトロン、ファーストリテイリング、ソフトバンクグループの4銘柄で日経平均を合計約1,084円押し上げ、上昇幅の約66%を占めました。

「7万円=日本株全体が強い」とは限らない理由

TOPIXの上昇率は日経平均より小さかった

東証株価指数(TOPIX)は、東証の幅広い銘柄の時価総額をもとに計算される指数です。報道によると、10月5日のTOPIXは4,145.22ポイントで、前日比1.33%の上昇でした。日経平均の2.40%と比べると上昇率は小さく、一部の大型株の上昇が日経平均を大きく押し上げたことがうかがえます。

値上がりした銘柄は東証プライムの約56%

報道によると、東証プライム市場で値上がりしたのは863銘柄、値下がりは633銘柄でした。日経平均が2%を超えて上昇した日としては、値上がり銘柄の割合は約56%にとどまり、「全面高」とはいえない状況でした。

指数が特定の分野に偏っている

日経平均には、AI・半導体関連など株価の高い大型株の影響が大きく表れます。こうした銘柄が大きく動く日は、日経平均の値動きが日本株全体の実感とずれることがあります。日経平均とTOPIXの両方を見ることで、相場の広がりを確認しやすくなります。

今後の注意点|上振れ・下振れの両方を考える

  • 上振れのシナリオ:米国の利上げ観測の後退が続き、AI関連の決算や受注が好調であれば、半導体株を中心に上昇が続く可能性があります。今週は10月8日に台湾TSMCの9月売上高の発表も予定されています。
  • 下振れのシナリオ:米国の長期金利は10月5日時点で5.31%(米財務省)と高い水準です。金利がさらに上昇したり、AI関連の期待が後退したりすると、上昇をけん引した銘柄が大きく下がり、日経平均も下落しやすくなります。
  • 日本の金利:10月6日には植田日銀総裁の挨拶が予定されています。日銀の利上げ観測の変化は、円相場や銀行株などを通じて日本株に影響する可能性があります。

株価が大きく動いた日に確認したいことは株価が急騰・急落した日に確認したい7つのチェック項目にまとめています。

高値圏で初心者が一括投資するときのリスク

「7万円」のような節目の数字が話題になると、「今のうちに買わないと乗り遅れる」と感じることがあります。しかし、高値圏でまとまった金額を一度に投資すると、その後に下落した場合の損失も大きくなります。

  • 時間の分散:一度に投資するのではなく、毎月一定額を積み立てる方法は、購入時期を分散する考え方の一つです。積立投資の基本は積立投資の効果の記事で解説しています。
  • 指数の中身を知る:日経平均に連動する投資信託は、値がさ株の影響を大きく受けます。どの指数に投資しているかを確認しておくことが大切です。

長期のNISA投資家はどう考える?

NISAで長期の積立をしている場合、日々の指数の上げ下げに合わせて方針を変える必要があるかは慎重に考えたいところです。2026年初めには米国株が急落する局面もありました。下落局面でも積立を続けた場合の考え方は暴落で「やめたい」と思った私が積立を続けた理由で紹介しています。高値で話題になるときこそ、自分の投資目的と期間、資産配分を確認する機会にしたいところです。

次に確認する日程

  • 10月6日(火)15時35分:植田日銀総裁の挨拶
  • 10月8日(木)3時(日本時間):米FOMC議事要旨(9月15〜16日開催分)
  • 10月8日(木):台湾TSMCの9月売上高、ファーストリテイリングとセブン&アイの決算発表(いずれも予定)

まとめ:7万円の中身を見て、指数の偏りを理解する

日経平均は10月5日に一時7万72円まで上昇し、約3カ月ぶりに取引時間中の7万円台を回復しました。背景には、米雇用統計を受けた利上げ観測の後退と、アドバンテストや東京エレクトロンなどAI・半導体関連株への買いがありました。一方で、TOPIXの上昇率は1.33%にとどまり、値上がり銘柄は東証プライムの約56%でした。

日経平均の節目の数字は注目されやすいですが、指数の上昇が一部の大型株に支えられている場合もあります。数字の大きさだけで判断せず、TOPIXや値上がり銘柄の広がりもあわせて確認し、自分の投資計画に沿って考えることが大切です。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載している数値は2026年10月6日時点で確認したデータに基づいています。

参考資料

日経平均が10月5日に一時7万円、高値70,072円、終値69,946円・プラス2.40%と終値の推移を示したアイキャッチ画像
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