ファーストリテイリング10月8日決算|ユニクロ好調、通期上方修正後の注目点

ユニクロを展開するファーストリテイリング(9983)は、2026年10月8日に2026年8月期の通期決算を発表する予定です(同社IRカレンダーより)。同社は7月9日の第3四半期決算で、通期の業績予想を上方修正し、過去最高の業績を見込んでいます。

本記事では、同社の公式IR資料をもとに、第3四半期までの業績、上方修正の内容、国内ユニクロ・海外ユニクロ・ジーユーの状況、配当予想、為替の影響を整理します。そのうえで、10月8日の決算で何が確認されると評価されやすいのかを、断定せずに考えます。

本記事の情報について:2026年8月期の通期決算は、10月5日時点ではまだ発表されていません。本記事の通期の数字はすべて会社の「予想」であり、実績ではありません。

ファーストリテイリングの10月8日決算とは|2026年8月期の通期決算

確認できた事実:ファーストリテイリングのIRカレンダー(10月2日更新)には、10月8日(予定)に「通期決算発表」と記載されています。同社の決算期は8月で、今回発表されるのは2025年9月1日〜2026年8月31日の1年間の業績です。発表時刻はカレンダーには記載されておらず、日程は都合により変更となる可能性があるとされています。

通期決算では、2026年8月期の実績に加えて、通常は次の期(2027年8月期)の業績予想や配当予想も示されます。市場の関心は、終わった期の実績だけでなく、次の期の見通しにも向かいやすいと考えられます。

第3四半期累計の業績|売上収益3兆651億円、営業利益6,143億円

確認できた事実:2026年8月期第3四半期累計(2025年9月〜2026年5月の9カ月間)の連結業績は次のとおりで、同社は「過去最高の業績」としています。

  • 売上収益:3兆651億円(前年同期比17.1%増)
  • 事業利益:5,927億円(同33.6%増)
  • 営業利益:6,143億円(同36.2%増)
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益(純利益):4,260億円(同25.6%増)

事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた、本業の稼ぐ力を示す指標として同社が開示しているものです。営業利益は、これにその他の収益・費用を加えたものです。

ファーストリテイリングの2026年8月期第3四半期累計の事業別業績。海外ユニクロは売上収益1兆8,340億円、事業利益3,453億円。国内ユニクロは8,676億円と1,729億円
出典:ファーストリテイリング「2026年8月期 第3四半期決算サマリー」(2026年7月9日)。作成:ゼロから学ぶお金の教科書

7月の上方修正の内容|純利益予想は5,000億円に

確認できた事実:同社は7月9日、2026年8月期の通期業績予想を、4月に発表した予想から次のように増額修正しました。

項目 修正後の予想 前期比 増額幅
売上収益 3兆9,700億円 16.7%増 700億円
事業利益 7,100億円 28.8%増 200億円
営業利益 7,300億円 29.4%増 300億円
純利益 5,000億円 15.5%増 200億円

修正の理由として同社は、6月までの業績を反映したことに加え、第4四半期(6〜8月)の業績予想の前提となる為替レートを足元の実態に合わせて修正したことを挙げています。

数字で見る進み具合(試算):第3四半期累計の営業利益6,143億円は、通期予想7,300億円の約84%にあたります。予想どおりであれば、第4四半期(6〜8月)の営業利益は単純計算で約1,157億円になります。

国内ユニクロ・海外ユニクロ・ジーユーの状況

海外ユニクロ:成長の中心。第3四半期の事業利益は65.2%増

確認できた事実:海外ユニクロ事業の9カ月累計の売上収益は1兆8,340億円(前年同期比25.9%増)、事業利益は3,453億円(同45.4%増)でした。第3四半期3カ月間に限ると、売上収益5,926億円(同33.8%増)、事業利益1,123億円(同65.2%増)です。同社は、グレーターチャイナは増収・2桁の増益、韓国、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は2桁の増収増益だったとしています。通期でも、海外ユニクロは現地通貨ベースで2桁の増収増益を見込んでいます。

国内ユニクロ:第4四半期は減益予想、9月は2桁増収

確認できた事実:国内ユニクロ事業の9カ月累計は、売上収益8,676億円(同8.3%増)、事業利益1,729億円(同15.1%増)でした。一方で同社は、第4四半期3カ月間は「若干の減収、事業利益は2桁の減益」を予想しています。理由として、過去2年続けて業績が大きく伸びたことによる高いハードル、円安による原価率の上昇、6月の売上が計画を下回ったことによる販管費比率の上昇を挙げています。

月次の速報では、国内ユニクロの既存店売上高(Eコマース含む)は前年同月比で6月85.9%、7月104.3%、8月98.7%でした。2026年8月期の通期では105.1%です。なお、新しい期に入った9月は110.8%と2桁の増収で、同社は気温の低下で秋冬商品の販売が好調だったと説明しています。

ジーユー:増収・大幅増益

確認できた事実:ジーユー事業の9カ月累計は、売上収益2,656億円(同3.7%増)、事業利益321億円(同28.0%増)でした。売上総利益率と販管費比率がともに改善し、利益率が上がっています。同社は通期でも増収・2桁の増益を見込んでいます。

年間配当予想と為替の影響

確認できた事実:1株当たりの年間配当金は、中間配当金320円を含めて640円の予想で、前期と比べて140円の増配です。期末配当金は320円の予想です。

為替の影響:同社は、売上の多くを海外で稼いでいます。円安になると、海外の売上や利益を円に換算したときの金額が大きくなる一方、海外で生産した商品を日本で売る国内ユニクロでは、仕入れコストが上がりやすくなります。実際に同社は、第3四半期の国内ユニクロについては為替予約が比較的円高の水準だったことで原価率が若干低下したとし、第4四半期については円安の影響による原価率の上昇を見込んでいます。為替は、海外事業と国内事業でプラスとマイナスの両方に働く点に注意が必要です。為替がリターンに与える影響の基本は為替リスクのヘッジ方法と実践例で解説しています。

10月8日の決算で何が評価されやすいか|確認したい5つのポイント

決算発表後の株価は、実績の良し悪しだけでなく、市場があらかじめ予想していた水準と比べてどうだったかで動くことがあります。市場予想は証券会社などのアナリストの予想を集めたもので、会社の予想とは別のものです。以下は、決算で確認したいポイントを整理したもので、結果や株価の方向を示すものではありません。

  1. 通期実績と会社予想の差:営業利益が修正後の予想7,300億円を上回ったのか、下回ったのか。第4四半期の国内ユニクロの減益幅が会社の想定どおりだったか。
  2. 2027年8月期の業績予想:次の期にどれだけの増収増益を見込むのか。今回の期は過去最高を見込んでいるため、次の期の予想の伸び率が市場の期待とどう比べられるかが注目されやすいと考えられます。
  3. 海外ユニクロの勢い:北米・欧州・東南アジアなどの成長が続くか。グレーターチャイナの回復の度合い。
  4. 為替の前提:次の期の業績予想でどのような為替レートを前提にしているか。円安・円高が利益にどう影響すると説明されるか。
  5. 配当方針:2027年8月期の配当予想と、増配が続くかどうか。

決算資料の読み方の基本はファンダメンタルズ分析のポイントと活用法で、決算発表の前後で業績予想の修正が株価にどう影響し得るかは今週の上方修正株の記事でも整理しています。

投資家が知っておきたいリスク

  • 好決算でも株価が下がることがある:業績が過去最高でも、市場の期待がそれ以上に高ければ、決算発表後に株価が下がることがあります。
  • 国内事業の伸び鈍化:会社自身が第4四半期の国内ユニクロの減益を予想しています。天候や消費の動向によって、国内の売上は月ごとに大きく振れます。
  • 海外依存と地域リスク:海外の売上の比重が高いため、各地域の景気、規制、地政学的なリスク、為替の動きの影響を受けやすくなります。
  • 日経平均への影響の大きさ:ファーストリテイリングは日経平均株価の値動きへの影響が大きい銘柄として知られています。決算発表後に株価が大きく動くと、日経平均が連動して動くことがあります。

今後確認すべきイベント

  • 10月8日(予定):2026年8月期 通期決算発表(決算短信、決算説明資料)
  • 11月4日(予定):10月の国内ユニクロ売上推移速報
  • 11月下旬(予定):定時株主総会、期末配当金の支払い開始

今週はほかにも、日米の金利や経済指標に関わる予定が続きます。日程は10月5〜9日の株式市場|今週の重要日程と注目点で確認できます。

まとめ:10月8日は「実績」と「次の期の見通し」の両方を確認

ファーストリテイリングは、2026年8月期の第3四半期累計で売上収益3兆651億円、営業利益6,143億円と過去最高の業績を上げ、7月に通期予想を上方修正しました。成長の中心は海外ユニクロで、国内ユニクロは第4四半期の減益を会社自身が予想しています。年間配当は640円の予想です。

10月8日の決算では、通期の実績が修正後の予想に届いたかに加え、2027年8月期の業績予想、海外事業の勢い、為替の前提、配当方針が注目点になると考えられます。結果は発表まで分からないため、予想を事実として扱わず、公式の決算資料で確認することが大切です。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載している数値は2026年10月5日時点で確認したファーストリテイリングの公表資料に基づいています。

参考資料

ファーストリテイリング10月8日決算の注目点、通期予想の営業利益7,300億円・年間配当640円と書かれたアイキャッチ画像
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