※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
「株を買うとき、成行と指値はどちらを選べばいい?」「注文したのに売買が成立しないのはなぜ?」。株の注文には基本となる2つの方法があり、選び方によって約定する値段や成立のしやすさが変わります。
結論:日本取引所グループ(JPX)によると、株の注文には基本的に「成行注文」と「指値注文」があります。成行注文は値段を指定せずに売買する方法で、指値注文より優先されますが、思わぬ値段で約定することがあります。指値注文は「○○円以下で買いたい」「○○円以上で売りたい」と値段を指定する方法で、値段は守られますが売買が成立しないことがあります。注文は価格優先・時間優先の原則で処理されます。
この記事では、東京証券取引所の売買制度をもとに、成行と指値の違い、条件付きの注文、売買が成立する仕組み、注文の値段の刻み(呼値の単位)を整理します。
成行注文と指値注文の違い
| 注文 | 内容 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 成行注文 | どの値段でもよいから買いたい・売りたい | 指値より優先され、成立しやすい | 値動きが大きいと思わぬ値段で約定する |
| 指値注文 | ○○円以下で買いたい・○○円以上で売りたい | 指定より不利な値段では約定しない | 値段が合わないと成立しない |
例えば、今の株価が1,000円前後の銘柄に「990円以下で買いたい」と指値で注文すると、990円以下の売り注文と合わなければ売買は成立しません。一方、成行で注文すると、そのときに出ている売り注文の値段で約定します。

売買が成立する仕組み:価格優先と時間優先
価格優先の原則
売り注文では値段の低い注文が、買い注文では値段の高い注文が優先されます。JPXの例では、100円・101円・102円・103円の売り注文がある場合、安く売ってもよいという100円の売り注文が優先され、同じ値段の買い注文なら、高くても買いたいという103円の買い注文が優先されます。成行注文は、値段を指定した注文(指値)に優先します。
時間優先の原則
同じ値段の注文は、先に出された注文が優先されます。JPXの例では、100円の買い注文がA社の10万株、B社の1万株の順に出された場合、A社の10万株がすべて執行された後に、B社の注文が執行されます。
板寄せ方式とザラバ方式
前場・後場の取引開始時(寄付き)などは、それまでに出された注文をすべて同時に出されたもの(同時呼値)とみなして、1つの値段で約定させる「板寄せ方式」が使われます。それ以外の時間(ザラバ)は、価格優先・時間優先の原則に従って、条件の合った注文から順に約定する「ザラバ方式」です。
後場の取引終了時(大引け)は「クロージング・オークション」です。JPXによると、ザラバの終了時(午後3時25分)から5分間の注文受付時間(プレ・クロージング)を設けた後、午後3時30分に板寄せを行います。大引けの板寄せでは、注文がすべて同時扱いになるわけではなく、同じ値段の注文は次の順に優先されます。
- 後場の始値が決まるまでに受け付けた注文(同時呼値として扱う)
- 後場の始値が決まった後、ザラバ中に受け付けた注文(時間優先の原則を適用)
- プレ・クロージング開始時に板に取り込まれた引条件付注文・不成注文と、プレ・クロージング中に受け付けた注文(1とは区別して同時呼値として扱う)
東証の取引時間は株の取引時間の記事で解説しています。

条件付きの注文もある
JPXによると、成行・指値のほかに、一定の執行条件を付けた注文があります。
- 寄付条件付注文:前場または後場の寄付き(最初の取引)に執行されることを条件とした注文。
- 引条件注文:前引けまたは大引け(最後の取引)に執行されることを条件とした注文。
- 不成注文:立会終了時までは指値注文として有効で、ザラバで成立しなかった場合は、前引けまたは大引けに成行注文として執行される注文。
- IOC注文:指定した値段かそれより有利な値段で、すぐに一部または全部を約定させ、成立しなかった数量を取り消す注文。
証券会社によっては、「逆指値」など独自の注文方法を用意しています。取り扱う注文の種類や名称は証券会社ごとに異なるため、各社の説明を確認しましょう。
成行注文で気をつけたい「特別気配」
株価が急に大きく動くと、成行注文が思わぬ値段で約定するおそれがあります。そこで東証では、直前の値段から一定の幅(気配の更新値幅)を超えて売買が成立しそうな場合、すぐには売買を成立させず「特別気配」を表示します。JPXの例では、直前の約定値段が1,000円で次が1,050円になりそうな場合、更新値幅が30円なら1,030円に買特別気配を表示して、売り注文を呼び込みます。成立しない場合は3分間隔で特別気配を更新します。1日の値動きの上限・下限はストップ高・ストップ安の記事をご覧ください。
指値は「呼値の単位」の刻みで出す
注文の値段の刻みを「呼値の単位」といいます。TOPIX500構成銘柄以外の一般的な銘柄では、次のとおりです。
| 株価の水準 | 呼値の単位 |
|---|---|
| 3,000円以下 | 1円 |
| 5,000円以下 | 5円 |
| 10,000円以下 | 10円 |
| 30,000円以下 | 10円 |
| 50,000円以下 | 50円 |
TOPIX500構成銘柄は、1,000円以下が0.1円、3,000円以下が0.5円など、より細かい刻みです。JPXは、2027年3月1日から、銘柄ごとの流動性にもとづいて呼値の単位を決める制度に変更するとしています。売買単位(100株)の考え方は株は何株から買えるかの記事で解説しています。
株の注文を出す前に確認したいこと
注文は、証券口座から出します。口座の開き方は証券口座の開き方の記事をご覧ください。注文画面の使い方や取り扱う注文の種類は、証券会社の公式サイトで確認できます。
よくある疑問
Q. 初心者は成行と指値のどちらがいい?
A. どちらが良いとは一概に言えません。すぐに売買したいときは成行注文が成立しやすく、値段を重視したいときは指値注文が向いています。値動きが大きい銘柄や、取引開始直後は、成行注文が想定と違う値段で約定することがある点に注意しましょう。
Q. 指値注文が成立しないとどうなる?
A. 指定した値段と合う注文がなければ成立しません。注文の有効期限(当日限りなど)は証券会社ごとの取扱いによります。不成注文のように、成立しなかったときに引けで成行に変わる条件付きの注文もあります。
Q. 同じ値段の注文が多いと後回しになる?
A. 同じ値段なら先に出された注文が優先される(時間優先の原則)ため、後から出した注文は、先の注文がすべて執行された後になります。
まとめ:成行は成立しやすく、指値は値段を守れる
- 株の注文は基本的に成行注文と指値注文の2つ。成行は指値に優先されますが、思わぬ値段で約定することがあります。
- 注文は価格優先・時間優先の原則で処理され、取引開始時などは板寄せ方式で値段が決まります。
- 寄付・引け・不成・IOCといった条件付きの注文もあります。
- 指値は呼値の単位の刻みで出します。2027年3月1日から呼値の単位の決め方が変わる予定です。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。株価は変動し、元本を割り込むことがあります。注文方法の詳細は証券会社の公式情報で確認してください。