S&P500とNASDAQが最高値更新|AI株高と米10年債5%台、NISA投資家が知っておきたいこと

米国の株価指数S&P500とNASDAQ総合指数が、2026年10月6日(日本時間10月7日早朝)に終値ベースの最高値を更新しました。S&P500の終値は7,818.93(前日比0.58%高)、NASDAQ総合指数は27,599.89(同0.45%高)です。S&P500が終値で最高値を更新したのは8月13日以来で、終値で7,800を上回ったのは初めてです。

結論:今回の上昇は、NVIDIAやAMDなどAI(人工知能)関連の半導体株への買いが中心だったと報じられています。一方で、米国の10年国債の利回りは5%台と高い水準が続き、上昇している銘柄の偏りも指摘されています。本記事では、最高値の種類、なぜ上がっているのか、そしてNISAでS&P500などに投資している人が知っておきたい考え方を整理します。

S&P500とNASDAQとは?2つの指数の違い

  • S&P500:米国の代表的な大企業約500社の株価をもとにした指数です。会社の規模(時価総額)が大きいほど、指数への影響が大きくなる「時価総額加重」という計算方法を使っています。時価総額とは、株価×発行済み株式数で計算する、会社の市場での値段の合計です。
  • NASDAQ総合指数:米国のナスダック市場に上場するすべての銘柄(3,000社以上)をもとにした指数です。IT・ハイテク企業の比率が高いのが特徴です。NISAでよく使われる「NASDAQ100」は、このうち金融を除く大型の100社で作る別の指数です。

S&P500とNASDAQには、NVIDIA・Apple・Microsoftなど同じ大型ハイテク企業が多く含まれるため、ハイテク株が上がる日は両方が上がりやすくなります。

10月6日の終値|S&P500は8月以来の最高値更新

確認できた事実(米セントルイス連銀の経済データベースFREDに掲載された終値):

指数 10月6日終値 前日比 終値ベースの記録
S&P500 7,818.93 +44.98(+0.58%) 最高値を更新(それまでの最高値は8月13日の7,798.99)
NASDAQ総合指数 27,599.89 +122.58(+0.45%) 10月5日に続き、2日連続で最高値を更新
ダウ工業株30種平均 51,521.28 +253.38(+0.49%) ―

「終値の最高値」と「取引時間中の最高値」の違い

株価指数の最高値には、2つの種類があります。

  • 終値ベースの最高値:その日の取引が終わったときの値(終値)で比べた最高値です。今回、S&P500とNASDAQはこちらを更新しました。
  • 取引時間中の最高値:取引の途中で一時的に付けた値も含めた最高値です。報道では「最高値を付けた」と伝えられていますが、本記事では取引時間中の高値を公式データで確認できていないため、終値ベースで説明しています。

ニュースを読むときは、どちらの最高値なのかを確認すると、数字を正しく理解しやすくなります。

なぜ上がっている?AI関連株が上昇をけん引

AI半導体株への買い

米NBCニュースの報道によると、10月6日はNVIDIAやAMDの株価が上場来高値(上場してから最も高い株価)を付け、時価総額が世界最大のNVIDIAは、6兆ドルに近づいたと伝えられています。同報道では、AMDのリサ・スーCEO(最高経営責任者)が「計算能力(コンピュート)の需要が供給を上回り続けている」と述べたことや、半導体のマーベル・テクノロジーが売上高の見通しを引き上げて大きく上昇したことも伝えられています。これらは報道に基づく情報で、本記事では個別銘柄の株価を公式データで確認していません。

決算シーズンへの期待

米国では来週から、7〜9月期の決算発表が本格化します。JPモルガン・チェースは10月13日に決算を発表する予定です(同社の発表)。決算では、売上高や利益が市場の予想を上回るかどうかが注目されます。

AI投資の拡大とリスクについてはNVIDIAのAI投資は過熱している?で詳しく解説しています。

米10年債利回りは5%台|金利が高いのに株高が続く理由

確認できた事実(米財務省):米国の10年国債の利回り(10年間お金を貸したときの年あたりの利回りで、長期金利の代表)は、10月5日に5.31%、10月6日に5.27%でした。

一般に、金利が上がると、株式の魅力は相対的に下がりやすいとされます。安全性の高い国債でも5%台の利回りが得られるためです。それでも株価が上がっている背景には、AI関連企業の利益が大きく伸びるとの期待があるとみられます。ただし、金利がさらに上がれば、株価を下げる要因になる可能性もあります。金利の背景は米10年債利回りが5%台にで整理しています。

原油価格も高い水準です。ロイター通信の報道によると、10月6日の米国の原油(WTI)先物は1バレル89.44ドルで取引を終えました。

最高値でも「上がっている銘柄は一部」という見方

指数が最高値を更新していても、すべての銘柄が上がっているとは限りません。米ヤフー・ファイナンスの報道によると、S&P500の構成銘柄のうち、過去50日間の平均株価(50日移動平均)を上回っている銘柄は約25%にとどまっていると伝えられています(報道に基づく数字で、本記事では一次データで確認していません)。

S&P500は時価総額加重の指数なので、NVIDIAのような巨大企業の株価が上がると、ほかの多くの銘柄が伸び悩んでいても、指数全体は上がりやすくなります。これは、指数が少数の大型株に偏っていることを意味します。偏りがあると、その銘柄が大きく下がったときに、指数も大きく下がりやすくなる点に注意が必要です。

NISAでS&P500を積み立てている人はどう考える?

最高値のニュースを見ると、「今買うと高値づかみになるのでは」「いったん売って利益を確定したほうがよいのでは」と迷う人もいるかもしれません。ここでは、売買の判断ではなく、長期の積立投資の考え方を整理します。

  • 短期の最高値だけで判断しない:株価が今後どう動くかは、誰にも正確には分かりません。最高値の後にさらに上がることも、大きく下がることもあります。
  • 積立は「時間の分散」:毎月一定額を買い続けると、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになります。購入のタイミングを分散する考え方です。
  • 下落に備えた資産配分:株価が大きく下がっても続けられる金額かどうか、生活費の備えと分けて考えることが大切です。
  • 為替の影響:円で投資する投資信託は、ドル円の動きでも基準価額(投資信託の値段)が変わります。

2026年初めの米国株の急落局面で積立を続けた体験は暴落で「やめたい」と思った私が積立を続けた理由で、S&P500と全世界株式の違いは「オルカン vs S&P500」結局どっちがいいの?で解説しています。

今後の確認ポイント|上振れ・下振れのシナリオ

  • 上振れのシナリオ:7〜9月期の決算で、AI関連を中心に利益の伸びが確認されれば、株価を支える材料になる可能性があります。
  • 下振れのシナリオ:長期金利がさらに上がる場合や、AI関連の決算や見通しが期待に届かない場合には、上昇をけん引した銘柄を中心に下落する可能性があります。原油高が物価を押し上げ、利上げ観測が強まることも考えられます。
  • 日程:日本時間10月8日3時にFOMC(米国の金融政策を決める会合)の議事要旨(9月会合分)、10月13日にJPモルガン・チェースの決算(いずれも予定)。FOMC議事要旨の見方はFOMC議事要旨はいつ?で解説しています。

まとめ:S&P500とNASDAQは終値で最高値、AI株の偏りと金利に注意

10月6日の米国市場で、S&P500は7,818.93、NASDAQ総合指数は27,599.89となり、いずれも終値ベースの最高値を更新しました。AI関連の半導体株が上昇をけん引した一方、米10年債利回りは5%台と高く、上昇している銘柄の偏りも指摘されています。

最高値のニュースは注目されやすいですが、それだけで売買を決める必要はありません。終値と取引時間中の違い、指数の中身、金利や決算の予定を確認し、自分の投資目的と期間に沿って考えることが大切です。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載している数値は日本時間2026年10月7日時点で確認したデータに基づいています。

参考資料

S&P500とNASDAQが最高値。S&P500 7,818.93(前日比プラス0.58%)、NASDAQ総合 27,599.89(前日比プラス0.45%)、いずれも終値ベースの最高値と示したアイキャッチ画像
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