円安や円高が急に進むと、「政府・日銀が為替介入をしたのか」が話題になります。介入をしたかどうか、いくら使ったかは、財務省が「外国為替平衡操作の実施状況」として公表しています。
結論:財務省の月次の公表によると、2026年に入ってからの為替介入(外国為替平衡操作)は、4月28日〜5月27日の期間に11兆7,349億円、7月30日〜8月26日の期間に15兆3,993億円の2つの期間で行われました。直近の9月29日〜10月28日の期間は0円です。7〜9月の介入の日付と日ごとの金額は、11月9日(月)午前8時50分に公表される予定です。この記事では、介入実績の調べ方と2026年の実績を整理します。
為替介入とは|財務省の統計では「外国為替平衡操作」
財務省は「外国為替平衡操作の実施状況」のページで、為替相場は基本的に各国経済のファンダメンタルズを反映し、市場の需給で決まるものだと説明しています。そのうえで、思惑などでファンダメンタルズから離れたり、短い期間に大きく動いたりする不安定な動きは好ましくないため、相場の安定を目的に通貨当局が市場で外国為替取引(介入)を行うことがある、としています。
円安を止めたいときは、保有する米ドルを売って円を買う「円買い介入」、円高を止めたいときは円を売る「円売り介入」になります。2026年4〜6月期に公表された介入は、いずれも「米ドル売り日本円買い」でした。
実績は2つの形で公表される|月次と四半期の日次
財務省は介入の実績を次の2つの形で公表しています。
| 公表の形 | 内容 | タイミング |
|---|---|---|
| 月次ベース | 期間中の介入の総額 | 1か月ごと |
| 日次ベース | 実施日・金額・売買した通貨 | 四半期ごと |
月次ベースの集計期間は暦の1か月ではなく、たとえば「9月29日〜10月28日」のように区切られています。介入の日付まで分かるのは、四半期ごとの日次ベースの公表を待つ必要があります。
2026年の介入実績|2つの期間で合計27兆1,342億円
2026年に公表された月次ベースの実績は次のとおりです。
| 集計期間 | 外国為替平衡操作額 | 公表日 |
|---|---|---|
| 2025年12月29日〜2026年1月28日 | 0円 | 1月30日 |
| 1月29日〜2月25日 | 0円 | 2月27日 |
| 2月26日〜3月27日 | 0円 | 3月31日 |
| 3月30日〜4月27日 | 0円 | 4月30日 |
| 4月28日〜5月27日 | 11兆7,349億円 | 5月29日 |
| 5月28日〜6月26日 | 0円 | 6月30日 |
| 6月29日〜7月29日 | 0円 | 7月31日 |
| 7月30日〜8月26日 | 15兆3,993億円 | 8月28日 |
| 8月27日〜9月28日 | 0円 | 9月30日 |
| 9月29日〜10月28日 | 0円 | 10月30日 |
2つの期間を合わせると、11兆7,349億円+15兆3,993億円=27兆1,342億円です。金額を0を起点に同じ尺度で並べると、8月の期間の方が大きかったことが分かります。

4〜6月期の日次の内訳|3日間で実施
2026年8月7日に公表された日次ベース(4〜6月期)では、介入の実施日と金額は次のとおりでした。
| 実施日 | 金額 | 売買通貨 |
|---|---|---|
| 4月30日 | 6兆2,787億円 | 米ドル売り日本円買い |
| 5月4日 | 7,802億円 | 米ドル売り日本円買い |
| 5月6日 | 4兆6,759億円 | 米ドル売り日本円買い |
4〜6月期の外国為替平衡操作額は11兆7,349億円と公表されています。表の3日分の金額は億円単位で示されており、足し合わせた値(11兆7,348億円)は公表された期間の合計と1億円異なります。合計額は財務省の公表値をそのまま使いましょう。
次の公表予定|7〜9月の日次は11月9日
財務省のページに掲載されている公表予定は次のとおりです(予定は変更される場合があります)。
- 11月9日(月)午前8時50分:日次ベース(7月〜9月)。8月の期間に行われた15兆3,993億円の介入について、実施日と日ごとの金額が分かります。
- 11月30日(月)午後7時00分:月次ベース(10月29日〜11月26日)。
- 12月30日(水)午後7時00分:月次ベース(11月27日〜12月28日)。
為替相場の最近の動きはドル円158円台の記事、金利の動きは10月の日銀金融政策決定会合の記事と10月のFOMCの記事で確認できます。
為替介入のニュースを見るときの注意点
- 介入の有無は後から分かる:月次の総額は期間の終了後に、日付は四半期ごとに公表されます。相場が急に動いた日に介入があったかどうかは、公表を待って確認するのが確実です。
- 月次の期間は月末で区切られない:「8月の介入」と言っても、統計上は7月30日〜8月26日のように前月にまたがる期間で集計されています。
- 相場への影響は一定ではない:介入は相場の安定を目的に行われるものですが、その後の為替の動きを約束するものではありません。外貨建て資産を持つときは、為替の変動リスクを前提に考えましょう。
為替の動きは、貿易や投資のお金の流れを表す国際収支とも関係します。経常収支(8月)の記事も参考にしてください。
よくある疑問
Q. 為替介入は誰が決めて、誰が実行しますか?
A. 日本では財務大臣が為替介入の必要性を判断し、その権限の下で実施されます。日本銀行は財務大臣の代理人として、指示に基づき市場での介入取引を実行します(日本銀行の公式解説)。介入実績は財務省が公表しています。
Q. 過去の介入実績もまとめて見られますか?
A. 財務省の統計表一覧に、過去の介入実績の全データ(CSV)が掲載されています。日次ベースの四半期ごとのページでも確認できます。
Q. 介入があると、円高が続きますか?
A. 続くとは限りません。為替相場は金利差や景気、市場の需給など多くの要因で動きます。介入の実績は、その時点で当局が相場の動きをどう見ていたかを知る材料の一つです。
まとめ:2026年は2つの期間で介入、7〜9月の日付は11月9日に判明
財務省の公表によると、2026年の為替介入は4月28日〜5月27日の期間に11兆7,349億円、7月30日〜8月26日の期間に15兆3,993億円で、合計27兆1,342億円です。9月29日〜10月28日の期間は0円でした。介入の総額は月次で、実施日と日ごとの金額は四半期ごとに公表されます。7〜9月の日次の内訳は11月9日(月)午前8時50分に公表される予定です。為替のニュースを見るときは、財務省の公表資料で事実を確かめる習慣をつけておくと安心です。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。介入実績と公表予定は財務省の公表資料(2026年11月4日時点)に基づいています。