米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国時間10月28日(日本時間10月29日午前3時)に、10月27〜28日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表しました。9月に利上げしたばかりで、今回も続けて利上げするかどうかが焦点でした。
結論:FOMCは政策金利(フェデラルファンド金利の誘導目標)を3.75〜4%に据え置きました。投票は10対2で、反対した2人はいずれも0.25ポイントの利上げを主張しました。声明文は景気の判断を「堅調なペース(solid pace)での拡大」から「力強いペース(strong pace)での拡大」に引き上げ、インフレについては「高止まりしている」との判断を維持しました。そのうえで、今後の政策は「より多くの情報の蓄積」を見て判断するという書き方に変わっています。
この記事では、FRBの公表文をもとに、決定の内容、9月の声明からの変更点、金融調節の金利、日本の投資家が確認しておきたい次の日程を整理します。
FOMC10月会合の結果:政策金利は3.75〜4%で据え置き
FRBの声明によると、FOMCは「最大雇用と物価の安定」という2つの使命(デュアル・マンデート)を支えるため、フェデラルファンド金利の誘導目標を3.75〜4%に維持すると決めました。前回9月15〜16日の会合では0.25ポイントの利上げで3.75〜4%にしており、今回はその水準を続けます。
| 項目 | 9月会合 | 10月会合 |
|---|---|---|
| 決定 | 0.25ポイント利上げ | 据え置き |
| 誘導目標 | 3.75〜4% | 3.75〜4% |
| 投票 | 12対0(全員賛成) | 10対2 |
| 反対票 | なし | 2人(0.25ポイントの利上げを主張) |
FOMCの会合日程と過去の結果は、FOMC10月会合の日程の記事でも紹介しています。
反対したのは2人、いずれも利上げを主張
声明では、今回の決定に反対したのはリサ・クック氏とベス・ハマック氏の2人で、2人とも今回の会合で誘導目標を0.25ポイント引き上げることを望んだと明記されています。9月は12対0の全員一致だったため、「据え置き」と「追加の利上げ」で委員の意見が分かれたことがわかります。

声明文の変更点:景気判断は「力強いペース」に
9月16日と10月28日の声明文を比べると、景気の判断と、今後の政策についての書き方が変わっています。主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 9月の声明 | 10月の声明 |
|---|---|---|
| 経済活動 | 堅調なペースで拡大 | 力強いペースで拡大 |
| インフレ | 高止まりしている | 高止まりしている(変更なし) |
| 雇用 | 雇用の増加は労働力の伸びに見合い、失業率はほぼ変わらず | 同じ(変更なし) |
| 政策の書き方 | 今回の措置で2%目標へのより早い回帰を支える | より多くの情報の蓄積が、2%目標へ適時に戻すための適切な政策の判断に役立つ |
このほか、「地政学的な動きもあって不確実性は高いままだが、国内の支出は底堅い」「生産性の伸びは強く、設備投資も堅調」という判断は、9月と同じ表現です。「物価の安定を実現する」という一文も残っています。
「情報の蓄積」をどう読むか
10月の声明は、次の会合で利上げするとも、利上げを終えたとも書いていません。今後発表される物価や雇用などの指標を見たうえで判断する、という書き方です。物価の動きは米CPI9月分の記事、9月会合での議論はFOMC議事要旨の記事で確認できます。
金融調節の金利:準備預金の付利は3.90%で据え置き
声明と同時に公表された「実施ノート(Implementation Note)」では、10月29日から適用する金融調節の金利が示されています。
- 準備預金残高への付利(IORB):3.90%で据え置き(FRB理事会が全会一致で決定)
- 常設の翌日物レポ(資金供給):4.0%
- 翌日物リバースレポ(資金吸収):3.75%
- 公定歩合(プライマリー・クレジット金利):4.0%で据え置き
あわせて、十分な準備預金の水準を保つため、必要に応じて短期国債(Tビル)などを買い入れる方針も示されています。

日本の投資家が確認したいこと
FOMCの決定は、米国の金利を通じて米国株や為替の動きに影響することがあります。ただし、株価や為替は金利以外の要因でも動くため、今回の会合の結果だけで先行きを決めつけることはできません。
- 日米の金利差と為替:米国の金利が高い状態が続くと、日米の金利差は大きいまま残ります。金利差と円相場の関係はドル円158円台の記事で解説しています。
- 米国の長期金利:政策金利の見通しは長期金利にも影響します。米10年債利回りの記事もあわせてご覧ください。
- 日銀の金融政策決定会合:日本銀行の会合は10月29日(木)・30日(金)に開かれ、30日に結果と展望レポート(基本的見解)が公表される予定です。注目点は日銀10月会合の記事にまとめています。
NISAなどで長期の積立をしている場合、毎回の金融政策の発表に合わせて売買を繰り返す必要はありません。金利の動きで価格が上下することを理解したうえで、自分の投資方針と資産配分を確認しておくことが大切です。
次の注目日程
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 10月30日(金) | 日銀の金融政策決定会合の結果、展望レポート(基本的見解) |
| 12月8〜9日(米国時間) | 次回FOMC。経済見通し(SEP)を公表する会合 |
FRBの日程表では、10月会合の議事要旨の公表日はまだ掲載されていません(10月29日確認時点)。
よくある疑問
Q. 今回は利下げではなく「据え置き」?
A. はい。誘導目標は9月と同じ3.75〜4%です。反対した2人も利下げではなく、0.25ポイントの利上げを主張しました。
Q. 次のFOMCはいつ?
A. FRBの日程表では12月8〜9日(米国時間)です。経済見通し(SEP)を公表する会合として印がついています。
Q. FOMCの結果は日本時間の何時に出る?
A. 今回の声明は米国東部夏時間の午後2時の公表で、日本時間では10月29日午前3時でした。米国の夏時間は2026年は11月1日に終わるため(米国立標準技術研究所)、12月の会合の日本時間は、FRBの公表時刻を確認してください。
まとめ:政策金利は据え置き、追加利上げは今後の指標しだい
- FOMCは10月28日、政策金利の誘導目標を3.75〜4%に据え置きました。
- 投票は10対2で、反対した2人は0.25ポイントの利上げを主張しました。
- 声明は景気判断を「力強いペースで拡大」に引き上げ、インフレは「高止まり」のままとしました。
- 今後の政策は「より多くの情報の蓄積」をもとに判断するとしています。次回は12月8〜9日です。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記事の内容は10月29日時点でFRBと日本銀行が公表している資料にもとづきます。金利や株価、為替は変動し、投資には元本を割り込むリスクがあります。