「消費者態度指数」は、家計が今後の暮らし向きや収入、雇用をどう見ているかを数字にした統計です。内閣府が毎月公表しており、個人消費の先行きを考えるときの材料としてニュースでもよく取り上げられます。
結論:内閣府が2026年10月29日に公表した消費動向調査によると、10月の消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)は35.0で、前月から0.4ポイント低下しました。前月の0.1ポイント低下に続く2か月連続の小幅な低下ですが、内閣府の基調判断は「持ち直しの動きがみられる」で据え置かれています。この記事では、指数の仕組みと10月の結果、あわせて公表される物価見通しの読み方を整理します。
消費者態度指数とは|4つの意識指標の平均
消費者態度指数は、内閣府の「消費動向調査」の中心となる指標です。調査では、今後半年間の見通しを5段階で尋ねており、指数は次の4つの項目(消費者意識指標)から作られます。
| 項目 | 2026年10月 | 前月差 |
|---|---|---|
| 暮らし向き | 33.2 | −0.6 |
| 収入の増え方 | 40.4 | −0.1 |
| 雇用環境 | 39.4 | −0.6 |
| 耐久消費財の買い時判断 | 26.8 | −0.5 |
消費者態度指数は、この4項目(季節調整値)を単純平均して計算されます。10月の4項目を足して4で割ると、(33.2+40.4+39.4+26.8)÷4=34.95で、公表値の35.0と一致します。
数字の目安|50が「変わらない」の水準
各項目は、今後半年間の見通しを「良くなる」から「悪くなる」まで5段階で尋ね、回答ごとに1・0.75・0.5・0.25・0点を付け、回答割合を掛け合わせて集計します。全員が「変わらない」と答えた場合、原数値は50に相当します。ただし、指数は回答割合を点数で重み付けした結果であり、50未満だからといって「悪くなる」と答えた人数が「良くなる」と答えた人数より多いとは限りません。前月からの変化や数か月の流れもあわせて確認しましょう。
内閣府の「景気動向指数の利用の手引」では、消費者態度指数(二人以上世帯・季節調整値)は景気の先行系列の一つに挙げられています。景気動向指数の仕組みは景気動向指数の見方の記事で解説しています。
2026年10月の結果|35.0で前月差0.4ポイント低下
消費動向調査(2026年10月実施分)の結果の概要では、10月の消費者マインドについて「持ち直しの動きがみられる」とし、基調判断を据え置きました。4月から10月までの推移は次のとおりです。
| 月 | 消費者態度指数 | 前月差 |
|---|---|---|
| 4月 | 32.2 | −1.1 |
| 5月 | 33.6 | +1.4 |
| 6月 | 33.8 | +0.2 |
| 7月 | 34.9 | +1.1 |
| 8月 | 35.5 | +0.6 |
| 9月 | 35.4 | −0.1 |
| 10月 | 35.0 | −0.4 |
4月の32.2から8月の35.5まで上昇が続いた後、9月・10月は小幅に下がりました。一方、3か月移動平均の前月差は±0.0ポイントで、ならして見ると横ばいです。0を起点に同じ尺度で並べると、変化の幅は大きくないことが分かります。

10月は4項目すべてが低下
10月は、構成する4項目がそろって前月を下回りました。前月差は、暮らし向きと雇用環境が−0.6ポイント、耐久消費財の買い時判断が−0.5ポイント、収入の増え方が−0.1ポイントです。雇用環境は7月に40.1まで上がっており、10月の39.4も年前半より高い水準にあります。
家計の見方は、街角の景況感を尋ねる景気ウォッチャー調査の記事や、賃金の実績を示す実質賃金の記事とあわせて見ると、意識と実態の両面から確認できます。
物価の見通し|9割超が「1年後に上昇」と回答
消費動向調査では、日ごろよく購入する品目の価格が1年後にどうなると思うかも尋ねています(二人以上の世帯、原数値)。10月の結果は次のとおりです。
| 回答 | 2026年9月 | 2026年10月 |
|---|---|---|
| 上昇する(計) | 90.6% | 90.8% |
| うち5%以上 | 47.6% | 48.1% |
| うち2%以上〜5%未満 | 31.7% | 31.7% |
| うち2%未満 | 11.3% | 11.0% |
| 変わらない | 3.8% | 3.8% |
| 低下する(計) | 3.3% | 3.5% |
「上昇する」と見込む割合は90.8%で、内閣府は「9割を超えている」としています。「5%以上上昇する」と見込む割合は前月より0.5ポイント増えて48.1%でした。ただし、4月の58.1%と比べると10ポイント以上低い水準です。実際の物価の動きは東京都区部CPI(10月)の記事で確認できます。
調査の方法と見るときの注意点
- 調査時点:10月分の調査基準日は10月15日で、調査票の回収期間は10月2日から20日まででした。月の後半の出来事は翌月の結果に表れます。
- 季節調整値と原数値:消費者態度指数と4項目は季節調整値、物価の見通しは原数値です。表の数字を比べるときは、どちらの値かをそろえて見ましょう。
- 家計の「見方」の統計:実際の支出額ではなく、意識を尋ねた調査です。消費の実績は総務省の家計調査などで確認します。家計調査の読み方は家計調査の記事で解説しています。
よくある疑問
Q. 消費者態度指数が下がると株価も下がりますか?
A. 直接決まる関係はありません。株価は企業業績や金利、海外の動きなど多くの要因で動きます。消費者態度指数は、個人消費の先行きを考える材料の一つとして見るのがよいでしょう。
Q. 35.0は低い数字ですか?
A. 35.0は「変わらない」に相当する50という目安を下回っていますが、回答者の人数比を直接示す数字ではありません。10月の35.0は4月の32.2より高く、内閣府の基調判断は「持ち直しの動きがみられる」で据え置かれています。
Q. どこで最新の結果を確認できますか?
A. 内閣府経済社会総合研究所の消費動向調査のページに、毎月の結果の概要と報告書が掲載されます。世帯別・属性別の統計表は政府統計の総合窓口(e-Stat)に載っています。
まとめ:10月は小幅低下、判断は「持ち直しの動き」で据え置き
2026年10月の消費者態度指数は35.0で、前月差0.4ポイントの低下と2か月連続で小幅に下がりました。4項目はすべて低下したものの、3か月移動平均の前月差は±0.0ポイントで、内閣府の基調判断は「持ち直しの動きがみられる」で据え置きです。1年後に物価が上がると見る人は90.8%と9割を超えています。指数は4項目の平均で、50が「変わらない」の目安という仕組みを押さえておくと、毎月のニュースを落ち着いて読めます。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。統計の数値は内閣府の公表資料(2026年11月4日時点)に基づいています。