カプコン(証券コード9697)が2026年10月27日に、2027年3月期の中間決算(2026年4月1日〜9月30日)を発表しました。新作ゲームの販売と過去作のリピート販売が伸び、売上高・利益とも前年同期を大きく上回っています。
結論:カプコンの決算短信によると、中間期の売上高は1,208億8,700万円(前年同期比49.0%増)、営業利益は607億6,900万円(同54.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は430億8,300万円(同56.6%増)でした。通期の業績予想(営業利益830億円)は2026年5月13日の発表から変更しておらず、中間期の営業利益は通期予想の73.2%にあたります。中間配当は1株23円で、年間配当の予想は46円です。
この記事では、決算短信の数字をもとに、業績を押し上げた要因、事業ごとの内訳、通期予想に対する進み具合、配当を整理します。
カプコン中間決算の結果:売上高49.0%増、営業利益54.5%増
決算短信の連結経営成績は次のとおりです。金額は百万円未満を切り捨てた決算短信の数字を、万円単位に直して記載しています。
| 項目 | 2027年3月期中間期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,208億8,700万円 | 49.0%増 |
| 営業利益 | 607億6,900万円 | 54.5%増 |
| 経常利益 | 612億1,200万円 | 67.5%増 |
| 中間純利益 | 430億8,300万円 | 56.6%増 |
中間純利益は親会社株主に帰属する金額です。1株当たり中間純利益は102.99円で、前年同期の65.78円から増えました。前年同期の売上高は811億5,200万円、営業利益は393億3,300万円でした。
決算短信では、中核のデジタルコンテンツ事業で新作の投入とリピートタイトルの販売強化により販売本数を伸ばしたことを、業績向上の理由に挙げています。中間期のデジタルコンテンツ事業の販売本数は3,686万本で、前年同期の2,385万本を上回りました。
決算の数字で株価がどう動くかは、市場の事前の予想や全体相場にも左右されます。決算発表の日に株価が大きく動いたときの確認ポイントは株価が急騰・急落した日のチェック項目の記事にまとめています。
業績を押し上げた要因:新作『プラグマタ』『鬼武者』とリピート販売
決算短信によると、4月に発売した完全新規IPの『プラグマタ』は全世界で270万本、20年ぶりのシリーズ最新作『鬼武者 Way of the Sword』は170万本を販売しました。
過去に発売したタイトル(リピートタイトル)も好調でした。前期2月発売の『バイオハザード レクイエム』は累計販売本数800万本を突破し、同シリーズの過去作の販売も伸びたとしています。リピートタイトルの販売本数は3,218万本で、前年同期の2,285万本を上回りました。
事業ごとの売上高と営業利益
4つの事業のうち、デジタルコンテンツ、アミューズメント施設、アミューズメント機器の3事業が増収増益でした。
| 事業 | 売上高(前年同期比) | 営業利益(前年同期比) |
|---|---|---|
| デジタルコンテンツ | 851億4,100万円(70.8%増) | 523億800万円(66.7%増) |
| アミューズメント施設 | 157億900万円(26.2%増) | 26億8,100万円(32.8%増) |
| アミューズメント機器 | 165億4,900万円(8.9%増) | 92億7,500万円(2.2%増) |
| その他 | 34億8,600万円(4.7%減) | 19億7,500万円(5.1%減) |
アミューズメント施設事業は、新しい店舗の出店などで施設数が63店舗になりました。アミューズメント機器事業は、自社の人気IPを使ったスマートパチスロの新機種を販売しています。その他事業は、映像やeスポーツなど、IPを多方面で展開する事業です。

通期予想は据え置き:営業利益の進捗率は73.2%
2027年3月期の通期予想は、売上高2,100億円(前期比7.5%増)、営業利益830億円(同10.2%増)、経常利益830億円(同12.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益580億円(同6.3%増)です。1株当たり当期純利益の予想は138.65円です。カプコンは、2026年5月13日の決算発表時の予想を変更していないと説明しています。
中間期の実績を通期予想で割った「進捗率」を計算すると、次のようになります。
- 売上高:1,208億8,700万円÷2,100億円=57.6%
- 営業利益:607億6,900万円÷830億円=73.2%
- 当期純利益:430億8,300万円÷580億円=74.3%
営業利益で見ると、通期予想に届くまでの残りは222億3,100万円です。ただし、進捗率は会社が示した予想に対する割合にすぎません。ゲーム会社の業績は新作の発売時期によって四半期ごとの変動が大きく、下期に予想を変えるかどうかは会社の判断です。進捗率が高いことだけで、予想の上方修正があると決めつけることはできません。

配当:中間23円、年間46円の予想
決算短信によると、2027年3月期の中間配当は1株23円です。前期(2026年3月期)の中間配当は20円でした。期末配当の予想は23円で、年間では46円の予想です(前期の年間配当は45円)。配当予想の修正はありません。配当の支払開始予定日は2026年11月16日です。
株価に対する配当の割合(配当利回り)の計算方法は配当利回りの記事、利益と株価の関係を見る指標はPER・PBRの記事で解説しています。
財務の状況
中間期末の総資産は3,653億9,900万円、自己資本比率は81.8%で、前期末の78.8%から上がりました。純資産の増加は主に中間純利益によるもので、剰余金の配当106億5,500万円などで一部が減っています。
決算短信で確認しておきたいポイント
- 前年同期との比較:前年同期の中間期も、売上高は43.9%増、営業利益は89.8%増と大きく伸びていました。今回はその水準からさらに増えています。
- 業績予想の扱い:決算短信には、業績見通しは現在入手している情報などに基づくもので、達成を約束する趣旨ではなく、実際の業績は様々な要因により大きく異なる可能性があると書かれています。
- 監査の対象外:中間期の決算短信は、公認会計士または監査法人のレビューの対象外です。詳しい内容は、10月28日に提出予定の半期報告書でも確認できます。
カプコン株は100株単位で売買されます。最低投資金額の計算方法は株は何株から買えるかの記事をご覧ください。
よくある疑問
Q. 中間決算とは?
A. 3月決算の会社が、4月から9月までの6か月間の業績をまとめて発表するものです。カプコンの今回の決算短信は「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」で、対象期間は2026年4月1日から9月30日です。
Q. 進捗率が高ければ、通期予想は上方修正される?
A. 決まっていません。進捗率は会社の予想に対する割合で、下期の新作の発売時期や費用の出方によって変わります。カプコンは今回、通期予想を変更していません。
Q. 配当を受け取るには、いつまでに株を買えばいい?
A. 配当を受け取るには、権利確定日に株主である必要があります。今回の中間配当は第2四半期末(2026年9月30日)時点の株主が対象で、その日はすでに過ぎています。期末配当の権利確定日と買う日の考え方は権利付最終日の記事で解説しています。
まとめ:カプコン中間決算は大幅増益、通期予想は据え置き
- 2027年3月期の中間期は、売上高1,208億8,700万円(49.0%増)、営業利益607億6,900万円(54.5%増)でした。
- 新作『プラグマタ』(270万本)、『鬼武者 Way of the Sword』(170万本)と、『バイオハザード レクイエム』などのリピート販売が伸びました。
- 通期予想(営業利益830億円)は据え置きで、中間期の営業利益の進捗率は73.2%です。
- 中間配当は23円、年間配当の予想は46円です。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。株価は業績や市場の動向によって変動し、元本を割り込むことがあります。業績予想は会社の見通しであり、実際の結果と異なる場合があります。