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持っている株の会社から「株式併合のお知らせ」が届くと、株が減ってしまうのではと不安になる方もいるでしょう。株式併合は、株の数をまとめる手続きです。仕組みを知れば、何が変わり、何に注意すればよいかが分かります。
結論:株式併合は、複数の株をまとめて1株にする手続きです。たとえば10株を1株にすると、持ち株数は10分の1になりますが、理論上の株価は10倍になるため、保有している株の価値は変わりません。会社法では株主総会の決議が必要で、1株に満たない端数が出た場合は、会社がまとめて売却し、その代金を株主に渡します。
この記事では、会社法と東京証券取引所の資料をもとに、株式併合の仕組み、計算例、端数の扱い、株式分割との違いを解説します。
株式併合とは?複数の株を1株にまとめる手続き
株式併合は、会社法第180条に定められた手続きで、「株式会社は、株式の併合をすることができる」とされています。株式併合をするときは、その都度、株主総会の決議で次の事項を決めなければなりません。
- 併合の割合(例:10株を1株)
- 株式の併合が効力を生ずる日(効力発生日)
- 効力発生日における発行可能株式総数
取締役は、株主総会で株式の併合が必要な理由を説明しなければなりません。東証の資料では、株式併合に必要な決議は株主総会の特別決議とされています。また、会社は原則として効力発生日の2週間前までに、株主に通知するか公告をします(下で説明する買取請求の対象となる併合では20日前まで)。
株式分割との違い
| 項目 | 株式併合 | 株式分割 |
|---|---|---|
| 株数 | 減る(10株→1株など) | 増える(1株→10株など) |
| 理論上の株価 | 上がる | 下がる |
| 保有している株の価値 | 理論上は変わらない | 理論上は変わらない |
| 端数 | 1株未満の端数が出ることがある | 通常は出にくい |
株式分割の仕組みは株式分割の記事で解説しています。
計算例:10株を1株にすると株価と持ち株はどうなる?

株価300円の株を1,000株持っている場合、保有額は30万円です。10株を1株にする株式併合が行われると、持ち株は100株になり、理論上の株価は3,000円になります。保有額は100株×3,000円=30万円で、併合の前と同じです。実際の株価は市場で決まるため、併合後に理論値どおりになるとは限りません。
東証の資料にある例
東証の「売買単位の集約に関するQ&A」では、株価300円・単元株式数1000株(投資単位30万円)の会社が、単元株式数を100株に変えると同時に10株を1株とする株式併合を行えば、理論上、投資単位30万円を維持できると説明しています。単元株式数を変えるだけだと投資単位は10分の1になりますが、株式併合を組み合わせて調整できるという考え方です。
1株に満たない端数はどうなる?
持ち株数が併合の割合で割り切れないと、1株に満たない端数が出ます。たとえば10株を1株にする併合で1,005株を持っていると、1,005÷10=100.5株となり、100株と0.5株の端数に分かれます。
会社法第235条では、株式の併合で1株に満たない端数が出るときは、端数の合計数に当たる株式を競売し、その代金を端数に応じて株主に渡すと定めています。上場株のように市場価格がある株式は、競売の代わりに市場価格で売却することもできます。つまり、端数の部分は株ではなく金銭で受け取ることになります。
反対する株主の買取請求
単元株式数に併合の割合を掛けた数に1株未満の端数が出る株式併合(TOB後の少数株主の締め出しなど)では、反対株主は、端数となる株式の全部を公正な価格で買い取るよう会社に請求できます(会社法第182条の2・第182条の4)。株主総会に先立って反対の意思を通知し、総会でも反対したことなどが条件です。
単元株式数が100株の会社が10株を1株にする場合は、100×1/10=10株で端数が出ないため、この請求の対象になりません。上の1,005株の例のように一部の株主に端数が出るだけでは足りず、その場合の端数は会社法第235条により売却代金で精算されます。
単元未満株になる場合もある
併合後の持ち株が100株に満たないと、単元未満株になります。単元未満株は通常の取引所の売買ができず、議決権もありません。扱い方は単元未満株の記事で解説しています。
株式併合が行われる主な場面
投資単位の調整
株価が低く、1単元の金額が小さすぎる会社が、株価の水準を上げるために行うことがあります。東証の資料で紹介されているように、売買単位の変更と同時に行う例もありました。
TOBの後の少数株主の締め出し
公開買付け(TOB)で大部分の株を取得した買い手が、残りの株主の株が1株未満の端数になる比率で併合し、端数を金銭で精算して完全子会社にする方法がとられることがあります。この場合、株は上場廃止となり、端数の代金を受け取ることになります。TOBの仕組みはTOBの記事で解説しています。
株主が確認したいポイント
- 併合の割合と効力発生日:会社の適時開示や株主総会の招集通知で確認できます。
- 端数の扱い:端数が出る持ち株数かどうか、代金がいつ支払われるかを確認します。
- 単元株式数の変更:同時に変更されると、併合後に単元未満株になるかどうかが変わります。
- 目的:投資単位の調整か、完全子会社化かで、その後の株主の立場が大きく異なります。
端数の代金を受け取った場合などの税金の基本は株の売却益の税金の記事をご覧ください。個別の課税関係は、証券会社や税務署で確認しましょう。株の売買には証券会社の口座が必要です。口座の選び方は証券口座の開き方の記事で解説しています。
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よくある疑問
Q. 株式併合で損をしますか?
A. 併合そのものでは、理論上、保有している株の価値は変わりません。ただし、併合後の株価は市場で決まるため、値下がりすることもあります。端数を金銭で受け取ると、その分は株として持ち続けられなくなります。
Q. 株式併合のときに何か手続きは必要ですか?
A. 証券会社の口座で持っている株は、通常は自動で株数が変わります。端数の代金の受け取りや、買取請求の対象となる併合で反対株主としての請求を考える場合は、会社のお知らせで手続きを確認しましょう。
まとめ:割合・端数・目的の3点を確認
株式併合は、複数の株を1株にまとめる手続きです。10株を1株にすると持ち株は10分の1になりますが、理論上の株価は10倍になり、保有額は変わりません。会社法では株主総会の決議が必要で、1株に満たない端数は会社が売却して代金を株主に渡します。お知らせが届いたら、併合の割合、端数の扱い、併合の目的を確認しましょう。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。個別の株式併合の条件は会社の開示によって異なります。解説は会社法と東京証券取引所の公表資料(2026年11月8日時点)に基づいています。