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傷病手当金はいくら?標準報酬月額30万円なら日額6,667円|もらえる4条件と通算1年6か月の期間、退職後の扱い

「病気やケガで会社を長く休むことになったら、給料が出ない間の生活費はどうなる?」。会社員が加入する健康保険には、仕事を休んで給与が受けられないときに生活を支える「傷病手当金」があります。いくらもらえて、いつまで受け取れるのかを知っておくと、生活防衛資金をどれだけ用意するかを考える目安にもなります。

結論:協会けんぽによると、傷病手当金は業務外の病気やケガで仕事に就けず、連続する3日間(待期)を含み4日以上休んで給与が支払われない場合に、4日目以降の休んだ日について支給されます。1日あたりの金額は「支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均÷30×2/3」で、標準報酬月額30万円なら1日6,667円です。支給期間は支給を開始した日から通算して1年6か月です。

この記事では、全国健康保険協会(協会けんぽ)の資料をもとに、支給の条件、金額の計算例、受け取れる期間、退職後の扱いを整理します。健康保険組合や共済組合に加入している人は、加入先の案内もあわせて確認してください。

傷病手当金とは?もらえる4つの条件

傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するための制度です。次の4つの条件をすべて満たす場合に支給されます。

  1. 業務外の病気やケガの療養のための休業:業務上・通勤災害は労災保険の対象。美容整形など病気と見なされないものは対象外。自宅療養の期間も対象
  2. 仕事に就くことができない:療養担当者の意見などをもとに、仕事の内容を考えて判断される
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかった:休んだ日から連続3日間(待期)の後、4日目以降が支給の対象
  4. 休業した期間に給与の支払いがない:給与が傷病手当金の額より少ない場合は差額が支給される

待期の3日間には、有給休暇や土日・祝日などの公休日も含まれます。ただし、連続して2日休んだ後に3日目に仕事をした場合は、待期は成立しません。また、傷病手当金を受けられるのは被保険者本人だけで、任意継続被保険者の期間中に発生した病気・ケガは対象外です。

傷病手当金はいつから出るか。休んだ日から連続3日間は待期で有給休暇や土日祝も含み、4日目以降の給与が出ない日に支給、支給期間は通算1年6か月
傷病手当金の待期と支給期間。出典:協会けんぽ

傷病手当金はいくら?計算方法と計算例

1日あたりの支給額は次の式で計算します。

支給開始日以前12か月の各標準報酬月額の平均額÷30×2/3

協会けんぽの計算例では、標準報酬月額が6か月は16万円、6か月は18万円の場合、平均は17万円です。17万円÷30≒5,670円(10円未満四捨五入)、5,670円×2/3=3,780円(1円未満四捨五入)が1日あたりの支給額になります。

標準報酬月額(12か月同じ場合) 1日あたり 27日分
20万円 4,447円 120,069円
30万円 6,667円 180,009円
40万円 8,887円 239,949円

27日分は、30日間続けて休み、最初の3日間が待期になった場合の目安です。たとえば標準報酬月額20万円なら、20万円÷30≒6,670円、6,670円×2/3≒4,447円です。休業前の給与の全額が補われるわけではない点に注意しましょう。

支給開始日以前の加入期間が12か月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使います。

  • 支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均
  • 32万円(支給開始日が令和7年4月1日以降の人。令和7年3月31日以前の人は30万円)
標準報酬月額ごとの傷病手当金の1日あたりの額。20万円なら4,447円、30万円なら6,667円、40万円なら8,887円。30万円なら27日分で180,009円
標準報酬月額ごとの傷病手当金の計算例。出典:協会けんぽの計算方法をもとに作成

いつまで受け取れる?支給期間

傷病手当金の支給期間は、同じ病気やケガについて、支給を開始した日から通算して1年6か月です。支給期間が過ぎた後は、同じ病気やケガで仕事を休んでも支給されません。

審査の結果、支払いが可能であれば受付から10営業日以内に支払われます。申請には給与の支払いの有無について事業主の証明が必要なため、協会けんぽは1か月単位で給与の締切日ごとの申請を勧めています。申請書は、被保険者・事業主・主治医がそれぞれ記入して加入している協会けんぽの支部に提出します。

給与・出産手当金・年金との関係

  • 給与が一部出た場合:出勤していない日に傷病手当金より少ない給与が払われているときは、その差額が支給されます。有給休暇の賃金や、出勤の有無に関係なく払われる通勤手当・扶養手当・住宅手当なども調整の対象です。
  • 出産手当金と重なる場合:両方を受けられる期間は出産手当金のみ支給されます。出産手当金の額が傷病手当金より少ない場合は、差額が支給されます。
  • 退職後に老齢年金を受け取る場合:資格喪失後の継続給付を受けている人が老齢厚生年金などの受給者になると、傷病手当金は支給されません。ただし、年金額の360分の1が傷病手当金の日額より低いときは差額が支給されます。

退職した後も受け取れる?

次の2点を満たしていれば、退職後も残りの期間について傷病手当金を受け取れます(資格喪失後の継続給付)。

  1. 退職日までに継続して1年以上の被保険者期間がある(任意継続被保険者の期間などは除く)
  2. 退職日に傷病手当金を受けているか、受ける条件を満たしている

退職日に出勤すると継続給付の条件を満たさなくなるため、退職日の翌日以降の傷病手当金は受け取れません。また、いったん仕事に就ける状態になった場合は、その後また仕事に就けなくなっても支給されません。

傷病手当金は給与の全額を補うものではないため、医療費の負担と合わせて備えを考えておくと安心です。医療費の自己負担の上限は高額療養費の記事、医療費の税金の控除は医療費控除の記事、手元資金の目安は生活防衛資金の記事で解説しています。出産で休む場合の給付は出産育児一時金の記事もご覧ください。

まとめ:日額は標準報酬月額の平均÷30×2/3、期間は通算1年6か月

  • 傷病手当金は、業務外の病気やケガで仕事に就けず、待期3日間の後の4日目以降に給与が出ない日について支給されます。
  • 1日あたりの額は、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均÷30×2/3です。標準報酬月額30万円なら1日6,667円です。
  • 支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。
  • 給与が一部出た場合は差額の支給になり、出産手当金と重なる期間は出産手当金が優先されます。
  • 退職日までに1年以上の被保険者期間があるなど条件を満たせば、退職後も受け取れます。

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。実際の支給額や手続きは、加入している健康保険の窓口で確認してください。

参考資料

傷病手当金は標準報酬月額30万円なら1日6,667円。待期3日間の後の4日目から支給、支給期間は通算1年6か月。標準報酬月額の平均÷30×2/3で計算
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