NISA投信ランキング最新|S&P500が買付1位、オルカンとの違いは?投資先・コスト・為替を比較

楽天証券が公表しているNISA口座の投資信託ランキング(2026年9月28日〜10月2日)で、買付金額の1位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、2位は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」でした。一方で、残高と積立設定件数の1位はオール・カントリー(通称オルカン)で、ランキングの種類によって順位が入れ替わっています。

本記事では、ランキングの数字を確認したうえで、「買付金額」と「残高」の違い、運用会社の月次レポートから分かる2つのファンドの中身(投資先・銘柄数・コスト・為替)の違いを整理します。そのうえで、長期のNISAではランキングだけで商品を選ばないほうがよい理由と、比べるときのポイントを解説します。

楽天証券のNISA投信ランキング最新版|買付金額1位はS&P500、残高1位はオルカン

確認できた事実:楽天証券の「ランキング:NISA-投資信託」に掲載された上位5本は次のとおりです(2026年10月4日確認)。

順位 買付金額(週間) 積立設定件数(週間) 残高(日次)
1位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
2位 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
3位 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド 楽天・米国テクノロジー株式集中投資インデックス・ファンド 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
4位 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
5位 楽天・プラス・NASDAQ-100インデックス・ファンド 楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型) iFreeNEXT FANG+インデックス

※買付金額と積立設定件数は2026年9月28日〜10月2日の週間ランキング、残高は前営業日時点のデイリーランキングです。楽天証券のページでは、いずれも「当社NISA成長投資枠」での集計と注記されています。

上位10本まで見ると、買付金額ランキングにはFANG+(6位)、米国高配当株(7位)、全米株式(8位)、国内株式TOPIX(9位)なども入っていますが、上位2本はどちらも三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim」シリーズです。S&P500とオルカンが、依然としてNISAの中心的な選択肢になっていることがうかがえます。

「買付金額」と「残高」のランキングはなぜ違う?|フローとストックの違い

同じ週のランキングでも順位が違うのは、測っているものが違うためです。

  • 買付金額:その週に「新しく買われた金額」です。いわばお金の流れ(フロー)で、相場の動きやボーナス、話題性などによって週ごとに変わりやすい性質があります。
  • 残高:これまでに買われ、今も保有されている金額の合計(ストック)です。過去からの積み重ねなので、急には順位が変わりにくい指標です。
  • 積立設定件数:その週に新しく「積立」が設定された件数です。金額ではなく件数なので、少額から積み立てる人が多い商品が上位に来やすくなります。

今回、買付金額ではS&P500が1位、残高と積立設定件数ではオルカンが1位でした。運用会社の資料でも、2026年8月末の純資産総額はオルカンが13兆8,964億円、S&P500が12兆9,779億円と、オルカンのほうが大きくなっています。「その週に多く買われた商品」と「多くの人に長く持たれている商品」は必ずしも同じではない、ということが分かります。

S&P500とオルカンの中身を比較|投資先・銘柄数・信託報酬

ここからは、三菱UFJアセットマネジメントが公表している2026年8月31日時点の月次レポートをもとに、2つのファンドの中身を比べます。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)と全世界株式(オール・カントリー)の比較表。組入銘柄数503と2,409、米国比率は実質全額と62.8%、信託報酬は0.08140%と0.05775%
出典:三菱UFJアセットマネジメント 月次レポート(2026年8月31日現在)。作成:ゼロから学ぶお金の教科書

投資先:米国の大型株500社か、日本を含む世界約2,400社か

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、米国の代表的な株価指数であるS&P500指数(配当込み、円換算ベース)との連動をめざすファンドで、組入銘柄数は503銘柄です。オール・カントリーは、先進国と新興国の株式で構成されるMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)との連動をめざし、組入銘柄数は2,409銘柄です。

オルカンの国・地域別の上位は、アメリカ62.8%、日本5.0%、台湾3.2%、イギリス3.1%、カナダ3.0%でした。資産の内訳では、先進国株式(日本を除く)が83.1%、新興国株式が11.8%、国内株式が5.1%です。つまり、オルカンも資産の6割強は米国株ですが、残りの4割弱は日本を含む米国以外の国に分散されています。

上位銘柄の集中度:S&P500は上位10銘柄で約4割

両ファンドとも組入1位はNVIDIAで、比率はS&P500が7.9%、オルカンが4.7%です。上位10銘柄の比率を合計すると、S&P500は約37.5%、オルカンは約23.9%でした。S&P500のほうが、米国の大型ハイテク株の値動きの影響をより強く受ける構成といえます。S&P500の業種別では「半導体・半導体製造装置」が16.9%で最も大きくなっています。

コスト:信託報酬はオルカンのほうが低い

運用管理費用(信託報酬)は、S&P500が年率0.08140%(税込)以内、オルカンが年率0.05775%(税込)以内です。100万円を1年間保有した場合の目安は、S&P500が約814円、オルカンが約578円で、差は年240円ほどです。どちらも低い水準で、この差だけで成果が大きく変わるとは考えにくいものの、長期になるほど積み重なる点は意識しておきたいところです。なお、信託報酬以外にも売買手数料や監査費用などがファンドの負担になります。詳しくは投資信託の隠れコストの解説をご覧ください。

過去の成績はどう違った?|過去1年はオルカン、過去3年はほぼ同じ

確認できた事実:2026年8月31日時点の騰落率(分配金再投資ベース)は次のとおりです。

期間 S&P500 オール・カントリー
過去1カ月 +3.3% +3.7%
過去6カ月 +15.2% +12.6%
過去1年 +30.4% +33.1%
過去3年 +93.1% +92.0%

過去6カ月ではS&P500が上回り、過去1年ではオルカンが上回りました。過去3年ではほぼ同じ水準です。期間の取り方によってどちらが優れて見えるかが入れ替わる、ということが数字から分かります。オルカンの資料によると、直近1カ月では新興国株式のマザーファンドが9.6%上昇しており、米国以外の地域が成績を押し上げた時期もありました。

注意点:これらは過去の実績で、将来の成果を示すものではありません。月次レポートの変動要因を見ると、S&P500は2026年3月に株式要因だけで基準価額が3,246円押し下げられた月もありました。下落局面でどう感じたかはS&P500急落を経験しても積立を続けた理由で紹介しています。

為替リスクも理解しておく|どちらも為替ヘッジなし

両ファンドとも、原則として為替ヘッジ(為替変動の影響を抑える取引)を行いません。外国株の値動きに加えて、円とドルなどの為替の動きが基準価額に直接影響します。

S&P500の月次レポートで基準価額の変動要因を見ると、2026年8月は株式要因が+1,625円、為替要因が−167円でした。一方、6月は株式要因が−685円だったのに対し為替要因が+825円で、円安が値下がりを打ち消した形です。円高が進む局面では、株価が上がっていても円で見た基準価額が伸び悩むことがあります。オルカンは米ドル以外の通貨にも分散されていますが、日本株を除く約95%が外貨建て資産のため、円高の影響を受ける点は同じです。

長期のNISAではランキングだけで選ばないほうがよい理由

  • ランキングは「人気」を示すもので、将来の成績の予想ではない:多く買われていることは、その商品が自分の目的に合っていることを意味しません。
  • 証券会社や集計期間によって順位は変わる:今回のデータは楽天証券のNISA口座での集計です。他の証券会社では異なる順位になることがありますし、週ごとにも入れ替わります。
  • 違いは「米国集中」か「世界分散」かという考え方の違い:米国の成長に重点を置くならS&P500、特定の国の比率を自分で決めずに世界全体の時価総額に合わせたいならオルカン、というように、どちらが「正解」かではなく考え方の違いとして整理するのが自然です。
  • 重複に注意:オルカンの6割強は米国株です。S&P500とオルカンを両方持つと、米国株の比率は思った以上に高くなります。

2つの商品の選び方については「オルカン vs S&P500」迷ったときの選び方、NISAの2つの枠の使い分けは成長投資枠とつみたて投資枠の違いで詳しく解説しています。

今後確認したいポイント

  • 運用会社が9月末時点の月次レポートを公表した際に、国別比率や上位銘柄の比率が変わっているか
  • 米10年債利回りが5%台で推移する中、米国の大型ハイテク株の比率が高いS&P500の値動きがどうなるか
  • 10月7日(米国時間)のFOMC議事録や、10月27〜28日のFOMCを受けた為替の動き
  • 年末にかけて、NISAの年間投資枠を使い切ろうとする動きでランキングがどう変わるか

まとめ:S&P500は「米国集中」、オルカンは「世界分散」。順位より中身で比べる

楽天証券のNISA投信ランキング(9月28日〜10月2日)では、買付金額の1位がS&P500、残高と積立設定件数の1位がオルカンでした。月次レポートで比べると、S&P500は米国の503銘柄で上位10銘柄が約4割を占め、オルカンは2,409銘柄で米国が62.8%、信託報酬はオルカンのほうが低くなっています。過去の成績は期間によってどちらが上回るかが入れ替わっており、どちらも為替の影響を受けます。

ランキングは市場の関心を知る手がかりになりますが、商品選びは自分の投資の目的や期間、どこまで値動きを許容できるかを基準に考えることが基本です。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載している数値は2026年10月4日時点で確認した楽天証券のランキングと、三菱UFJアセットマネジメントの月次レポート(2026年8月31日現在)に基づいています。

参考資料

NISA投信ランキング、S&P500とオルカンと書かれたアイキャッチ画像
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