本文へ移動
ゼロから学ぶお金の教科書 INVESTMENT & MONEY GUIDE

企業物価指数9月は前年比6.8%上昇に鈍化|前月比0.3%下落、コメ値下がりと輸入物価24.5%の影響

日本銀行は2026年10月13日、企業どうしで取引するモノの値段の動きを示す「企業物価指数」の2026年9月速報を公表しました。国内企業物価指数は前月比0.3%下落、前年比6.8%上昇でした。前年比の上昇率は8月の7.6%から縮小しています。

この記事では、日本銀行の公表資料をもとに、9月の結果のポイント、前月より下がった理由、輸入物価の動き、家計や投資で気にしておきたい点を初心者向けに整理します。数値は10月13日8時50分に公表された速報値で、今後改定されることがあります。

企業物価指数そのものの仕組みは、発表前にまとめた企業物価指数の見方の解説記事も参考にしてください。

9月の企業物価指数の結果のポイント

日本銀行の公表資料によると、9月の結果は次のとおりです。指数は2020年平均を100としたものです。

指数 前月比 前年比
国内企業物価指数 0.3%下落 6.8%上昇
輸出物価指数(円ベース) 0.5%上昇 17.9%上昇
輸入物価指数(円ベース) 0.2%下落 24.5%上昇

国内企業物価指数の水準は135.7で、8月の136.1から下がりました。前年と比べると依然として大きく上がっていますが、前月比では8月に続いて2か月連続の下落です。

前月比と前年比の違い

前月比は、前の月と比べてどれだけ動いたかを示し、足元の変化をつかむのに役立ちます。前年比は、1年前の同じ月と比べた変化で、季節による動きの影響を受けにくいのが特徴です。9月は、前年比では大きな上昇が続く一方で、前月比では下落となりました。

夏季電力料金調整後の指数も同じ動き

日本銀行は、毎年7月から9月に適用される夏季電力割増料金の影響を総平均から除いた「夏季電力料金調整後」の指数も公表しています。9月はこの指数も前月比0.3%下落、前年比6.8%上昇で、夏の電気代の影響を除いても同じ動きでした。

前月より下がった理由はコメと石油製品

日本銀行は、前月比で動いた主な類別と、その動きが全体に与えた影響の大きさ(寄与度)を公表しています。9月に下落へ大きく影響したのは次の2つでした。

  • 農林水産物:寄与度マイナス0.42%。主な品目は玄米、精米、豚肉
  • 石油・石炭製品:寄与度マイナス0.15%。主な品目はB重油・C重油、軽油、ジェット燃料油

一方で、電力・都市ガス・水道(寄与度プラス0.08%)などは上昇しました。全体として、コメなどの農産物と燃料の値下がりが、9月の国内企業物価を押し下げた形です。

輸入物価は前年比24.5%上昇、円高で前月比は下落

海外から買うモノの値段を示す輸入物価指数は、円ベースで前年比24.5%上昇しました。前月比では、取引に使われた外国の通貨で見た契約通貨ベースが1.0%上昇した一方、円ベースは0.2%下落しました。

契約通貨ベースの上昇には、石油・石炭・天然ガス(寄与度プラス0.69%)が大きく影響し、主な品目は液化天然ガス、ナフサ、ジェット燃料油でした。それでも円ベースで下がったのは、為替が前月より円高になり、同じ外貨建ての値段でも円に換算した金額が小さくなったためです。日本銀行の資料では、為替相場(ドル/円)の前月比はマイナス1.5%で、これは円高を示します。

家計や投資で気にしておきたい点

企業物価は、企業が仕入れるモノの値段です。仕入れ値の変化は、時間をおいて店頭の価格や企業の利益に影響することがあります。前年比の上昇率が縮小したことは、仕入れ値の上がり方がいくらか落ち着いてきたことを示すものですが、前年より高い水準が続いている点は変わりません。

また、輸入物価は為替の動きで大きく変わります。円安になれば輸入品の円換算の値段が上がり、円高になれば下がるため、企業物価を見るときは為替の動きもあわせて確認することが大切です。

株式や投資信託の値動きは、物価だけでなく金利、為替、企業業績などさまざまな要因で決まります。1回の統計の結果だけで、株価や金利の行方を判断しないよう注意が必要です。

次に確認したい統計

企業物価の動きが家計の買い物にどう表れているかは、総務省が公表する消費者物価指数で確認できます。企業物価と消費者物価を並べて見ると、仕入れ値の変化が店頭価格にどの程度伝わっているかの手がかりになります。

まとめ

  • 2026年9月の国内企業物価指数は前月比0.3%下落、前年比6.8%上昇でした。
  • 前年比の上昇率は8月の7.6%から縮小しました。
  • 前月比の下落には、農林水産物(玄米、精米、豚肉)と石油・石炭製品の値下がりが影響しました。
  • 輸入物価は円ベースで前年比24.5%上昇しましたが、円高の影響で前月比は0.2%下落しました。
  • 統計は速報値で改定されることがあり、1回の結果だけで投資判断をしないことが大切です。

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。

参考資料

企業物価指数2026年9月速報。国内企業物価指数は前月比0.3%下落、前年比6.8%上昇(8月は7.6%)。輸入物価指数(円ベース)は前年比24.5%上昇
最新情報をチェックしよう!

↑