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マネタリーベースとは?10月は532兆5,717億円で前年比13.6%減|日銀当座預金が16.4%減、マイナス幅は2か月連続で縮小

日本銀行が11月4日に公表した2026年10月のマネタリーベースは、平均残高が532兆5,717億円で、前年同月比13.6%の減少でした。マイナスは続いていますが、減少幅は9月の15.2%から縮まりました。

結論:マネタリーベースは「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」の合計で、日本銀行が世の中に供給しているお金の量を示す統計です。10月は全体の約8割を占める日銀当座預金が前年比16.4%減の413兆9,317億円となり、全体を押し下げました。一方、お札(日本銀行券)は2.3%減、硬貨(貨幣)は1.1%減と、小幅な減少にとどまっています。この記事では、日本銀行の公表資料をもとに、マネタリーベースの意味と10月の数字の読み方を整理します。

マネタリーベースとは|日本銀行が供給するお金の合計

日本銀行の「マネタリーベースの解説」では、マネタリーベースは「日本銀行が供給する通貨」と説明されています。具体的には、市中に出回っている現金(お札と硬貨)と、金融機関が日本銀行に預けている当座預金の合計です。

項目 中身
日本銀行券発行高 世の中に出回っているお札
貨幣流通高 世の中に出回っている硬貨
日銀当座預金 銀行などの金融機関が日本銀行に預けている当座預金。金融機関どうしの決済や、法律で決められた準備預金に使われる

よく似た統計に「マネーストック」があります。マネーストックは金融部門全体から経済に供給されるお金の量で、金融機関が持っている現金は含みません。マネタリーベースは中央銀行が供給するお金なので、金融機関が持つ現金も含む点が違います。

公表は毎月第2営業日の8時50分

月次のマネタリーベースは、毎月第2営業日の午前8時50分に前月分が公表されます。次回の11月分は、12月の第2営業日にあたる2026年12月2日(水)の公表予定です。

2026年10月のマネタリーベース|平均残高は532兆5,717億円

10月の平均残高と前年同月比は次のとおりです。3つの項目を足すと、マネタリーベースの合計に一致します。

項目 10月の平均残高 前年同月比 全体に占める割合
マネタリーベース 532兆5,717億円 13.6%減 100.0%
日本銀行券発行高 114兆632億円 2.3%減 21.4%
貨幣流通高 4兆5,768億円 1.1%減 0.9%
日銀当座預金 413兆9,317億円 16.4%減 77.7%

割合は平均残高から計算した値です(小数第2位を四捨五入)。前月の9月の平均残高は532兆8,464億円、10月末の月末残高は537兆2,137億円でした。日本銀行の金融政策の動きは日銀10月会合の結果の記事で解説しています。

前年比のマイナスはいつから?2026年の推移

2026年に入ってからのマネタリーベース(平均残高)の前年同月比は次のとおりです。1月の9.5%減から8月の15.7%減までマイナス幅が広がり、9月は15.2%減、10月は13.6%減と、2か月続けて縮小しました。

マネタリーベース(平均残高)の前年同月比 2026年1月9.5%減、8月15.7%減、10月13.6%減
マネタリーベースの前年同月比(2026年1月〜10月、平均残高)。棒は0から同じ尺度

前年比だけでなく「季節調整済前月比年率」も見る

日本銀行のFAQは、前年同月に特殊な要因があると前年比が大きく動くことがあるため、必要に応じて季節調整済前期(月)比年率もあわせて見ることが有用だとしています。10月の季節調整済前月比年率は4.9%のプラスでした。前年比はマイナスでも、前月と比べた短期の動きは増加だったことになります。

何が増減を決める?現金と当座預金で要因が違う

日本銀行のFAQによると、お札や硬貨は個人や法人の現金需要の影響を強く受け、年末年始には季節的に増えます。一方、日銀当座預金の残高は、日本銀行の金融調節などの影響を受けて変動します。

  • 日本銀行券・貨幣:家計や企業がどれだけ現金を手元に置くかで変わります。10月は前年比2.3%減・1.1%減と小幅でした。
  • 日銀当座預金:マネタリーベースは中央銀行の取引により変動する、とFAQは説明しています。当座預金は日本銀行の金融調節などで動き、10月は前年比16.4%減と、マネタリーベースのマイナスの大部分を占めました。

日本銀行の資産の動きは日銀の総資産の記事、国債を誰が持っているかは国債の保有者内訳の記事が参考になります。

個人投資家はどう見ればいい?

マネタリーベースは、日本銀行がどれだけお金を供給しているかを示す統計です。数字の増減だけで株価や物価の方向が決まるわけではありませんが、金融政策の大きな流れを確かめる材料になります。金利や物価の統計とあわせて、毎月の変化を追うと全体像がつかみやすくなります。家計のお金の流れは家計の金融資産の記事で確認できます。

よくある疑問

Q. マネタリーベースが減ると、世の中のお金も減りますか?

A. マネタリーベースは日本銀行が供給するお金で、家計や企業が持つ預金なども含めたお金の量はマネーストック統計で見ます。両者は別の統計なので、マネタリーベースの減少がそのまま家計のお金の減少を意味するわけではありません。

Q. 平均残高と月末残高のどちらを見ればいいですか?

A. 日本銀行は両方を公表しています。前年比は平均残高で計算されているため、月ごとの流れを見るときは平均残高、月末時点の水準を知りたいときは月末残高が使われます。

Q. 次の公表はいつですか?

A. 毎月第2営業日の午前8時50分です。11月分は2026年12月2日(水)に公表される予定です。

まとめ:10月は532兆5,717億円、前年比13.6%減でマイナス幅は縮小

2026年10月のマネタリーベースは平均残高532兆5,717億円で、前年同月比13.6%減でした。全体の77.7%を占める日銀当座預金が16.4%減となったことが主な要因で、お札は2.3%減、硬貨は1.1%減でした。マイナス幅は8月の15.7%減をピークに2か月続けて縮小し、季節調整済前月比年率は4.9%のプラスでした。次回の11月分は12月2日に公表されます。

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。数値は日本銀行の公表資料(2026年11月5日時点)に基づいています。

参考資料

マネタリーベース(2026年10月)は平均残高532兆5,717億円、前年同月比13.6%減 日銀当座預金は16.4%減
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